2012年10月15日のNHKあさイチでは、コーヒーを特集。
健康効果についても、最新の情報を伝えてくれました。
昔からコーヒーは健康と深く関わっていました。
コーヒー豆が発見されたのは、アフリカエチオピアの高山地帯。
およそ6世紀ころといわれています。
やがてコーヒーはイスラム社会に伝わり、そこで、薬として使われました。
西暦900年ごろ、アラビア人の医師が
「コーヒーは強心作用、胃の消化、利尿作用に効果がある」 として、コーヒー豆を煮出した汁を患者に飲ませていたといいます。
そもそもは、薬として重用されていた歴史をもつ、コーヒー。
昨今、その効能を裏付けるさまざまな調査結果が国内、国外から報告されています。
■コーヒーと健康 その1
「がん」
日本人にとってもっとも怖い病気の一つ。
その予防に、コーヒーが力を発揮するという、驚きの報告があるんです。
調べたのは、日本の国立がんセンターを中心とする研究班。
(1)肝臓がんとコーヒー
国立がん研究センターを中心とする研究班がまとめたのは 40~69歳の男女およそ9万人を対象に 10年間の肝臓がん発症率を追跡した大規模疫学調査を実施。
結果、
1日に5杯以上コーヒーを飲む人の『肝臓がん』の発症率が
飲まない人の4分の1にとどまると発表。
飲まない人の発症率を1とした場合、
1から2杯の人・・・0.52
3から4杯の人・・・0.48
5杯以上・・・0.24
(2)大腸がんとコーヒー
続いては、女性のがんの死亡率が国内ではもっとも高いという大腸がん
これにも有効だという説があります。
岐阜大大学院の永田教授が1992年からの8年間、
35歳以上の岐阜県高山市の住民およそ3万人を対象に
追跡調査を実施したところ、
コーヒーを全く飲まない人の発症率を1とすると
1杯以上飲む人は男性で0.81 女性はなんと0.43と、
発症率が半分以下に抑えられていました。
■コーヒーと健康 その2
「胆石」
アメリカハーバード大学、
医学部の研究グループは10年がかりで調査した結果発表したのは、
胆のうに石がたまる胆石への予防効果。
コーヒーを1日2から3杯飲む男性の胆石になるリスクは
飲まない人に比べて40パーセントも低くなるんだそうです。
■コーヒーと健康 その3
「パーキンソン病」
コーヒーは、モハメドアリも苦しむ難病、パーキンソン病も予防するそうです。
ハワイで30年にも及んで行われた大規模調査では、
コーヒーを1日800cc飲む人は飲まない人に比べて
パーキンソン病の発症リスクがなんと五分の一に低下するという
結果が得られました。
■その他の疫学調査の例
(1)国立がんセンター
子宮体がん
1日3杯以上飲む人は、飲まない人に比べリスクが60パーセント減った。
(2)アメリカハーバード大学 1日4杯以上飲む女性。
飲まない女性に比べて、脳卒中のリスクが20パーセント以上減った。
(3)アメリカがん研究所
死亡リスク: 1日2杯以上飲む人は飲まない人の10%減。
1日4~5杯飲む女性は、飲まない女性に比べて16%減。
■まとめ
コーヒーのすばらしい効能が、実績として示されていましたが、
どの病気にどの成分が関係しているかということは、
まだ特定はできていません。
仮説はたくさんあるようです。
あくまでも、疫学調査とは、10年から20年かけて観察をして、
病気の発症率を調べたもので、
何らかの関係があると統計的に認められるものです。
なぜそうなるのかまでは必ずしもわかるわけはない、ということなんですね。
成分がわかっていけば、具体的な薬などに発展していきますが、
いまはまだ研究途上です。
コーヒーにはネガティブなイメージを持っている人が多かったと思いますが、
今後薬としての役割が注目されるようになっていくと思います。
それは、昔々に原点回帰するということだと思いました。
(2012.12.22)