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インスタントはドリップコーヒーの代用になるか? | 両者の違いは?

私は、 インスタントコーヒーと、ドリップコーヒーは
別な飲み物と考えたほうがいいと思っています。
おいしいインスタントコーヒーはあると思いますが、
それは、ドリップコーヒーと同じようなおいしさだとは言えません。
製法が違うわけで、 番茶と煎茶くらいの違いがあると、私は思います。
インスタントコーヒーは、工場で次のような工程でつくられます。  
生豆 → 焙煎 → 粉砕
 → 圧力をかけて抽出(液体)  → 乾燥(粉末) → 包装

●このコーヒー抽出液は、
ドリップコーヒーとは違っているのではないか と想像されます。

●コーヒー抽出液を「乾燥」するとき、当然、香りが失われます。
この乾燥の仕方には、2種類あります。、

(1)スプレードライ法  高温の乾燥塔の中で、
濃縮されたコーヒー液を霧状にして噴き出す。  
瞬間的に水分が蒸発して、細かい粉末状のコーヒーができる。  
(代表例:ネスレ「ネスカフェ エクセラ」、AGF「ブレンディ」等)

(2)フリーズドライ法  
濃縮されたコーヒー液を零下40度前後の低温で凍結させ、真空状態で昇華させる。
 大粒のコーヒーができる。
 
この製法は低温処理のため、コーヒーのアロマがより良く保存される。  
(代表例:ネスレ「ネスカフェ ゴールドブレンド」、AGF「マキシム」等)

インスタントとドリップコーヒー
・インスタントコーヒーも原材料は100%コーヒー豆です。
・カフェインの量は、ドリップコーヒーのほうが多いようです。
(食品成分表を使って計算してみたところ、
カップ1杯でインスタント=0.016グラム、ドリップコーヒー=0.06グラムでした。)

もともとは同じコーヒー豆という植物からできた飲み物ですが、
香りや味わいはなかなか同じように話すことはできないと思います。
私の職場でも、ドリップコーヒーしか飲まない人と インスタントしか飲まない人、両方が存在します。

私はほとんどドリップコーヒーですが、 たまにインスタントの香味焙煎を飲みます。
ドリップコーヒーが正当で、 インスタントはどこまでそれに近づけるかということだと、 まだまだ、その隔たりは大きいといわざるを得ません。
別な種類だと考えると、 最終的には、それぞれの好みだと思います。

(2012.11.24)

コーヒーメーカーでもおいしい? | ハンドドリップとの比較

結論からいうと、
コーヒーメーカーでも、十分おいしいコーヒーを楽しむことができます。
ただ、お湯の温度が低いコーヒーメーカーだと、 十分にコーヒーの成分を引き出すことができません。
メリタの「バイメタル方式」採用のコーヒーメーカー、
象印の「珈琲通」などはお湯の温度が高いのでオススメです。
また、抽出後に放置して加熱を続けるのは、避けましょう。
煮詰まって、あっという間に香りが飛び、まずくなります。

以上のようなことに気をつけて、
新鮮な豆、好みの焙煎度合いの豆を使うと、
ハンドドリップとコーヒーメーカーの差はあまりなくなります。
ハンドドリップで入れた珈琲も、 加熱して煮詰めたら極端に味が落ちます。

コーヒーの抽出のポイントは、
・お湯の温度
・豆を漉すもの(フィルター)の素材
・抽出にかける時間
・濃度
です。

コーヒーメーカーとハンドドリップを比較してみると
・同じペーパーフィルターを使うことはできます。
・「濃度」も豆と水の量をきちんと測ることで、コントロールできます。
ハンドドリップのいいところ、コーヒーメーカーでの対処法

(1)お湯の温度を調節できる 「質の良くない豆は、低い温度で入れる」という考え方があります。
実際、今でもお湯の温度は85度くらいと提唱する人もいます。
これは、温度が高いと、おいしくない成分も抽出されやすくなるからです。
つまり、ハンドドリップなら、温度を調節して 質のよくない豆の欠点を目立たせないようにすることもできる ということになります。
豆の質がよければ、 高い温度で豆の持っているものをできるだけ出したほうがいいので、 低い温度のお湯を出す必要がありません。
高い温度のお湯が出せるコーヒーメーカーの弱点にはなりません。

(2)抽出にかける時間を調節できる これは、ハンドドリップにはかないません。
コーヒーメーカーでは、抽出時間を遅らせることはほとんどできませんね。
ただ、決定的な弱点ともいえないとも思います。
必要以上に時間をかけることのメリットはありませんから。
問題なのは、1杯だけ抽出する場合です。
コーヒーメーカーでは、抽出時間が不足して、 どうしても薄くなりがちです。

対処法は下記を参照してください。
http://coffeetuu.net/2012/11/24/コーヒーメーカーで1杯分をおいしく入れる方法/

コーヒーメーカーでも、ハンドドリップでも 3杯以上のときには、時間がかかるので、 抽出液が濃くなりがち。豆の量を少し減らしましょう。

ものの本によると、ドイツで一番普及している家電は、
コーヒーメーカーだということでした。
しかも、全自動型(豆を入れる→豆を挽く→抽出までやってくれるもの)が
増えているそうです。

忙しい毎日。 手軽にコーヒーを楽しむために、
コーヒーメーカーを活用したほうがいいのではないでしょうか。
ハンドドリップにしろ、コーヒーメーカーにしろ、
きちんと豆と水を計量して入れることで、味は安定します。

実は、コーヒーメーカーで入れる場合、
この計量をきちんとやらない場合が多いのではないかと推測します。
だから、コーヒーメーカーはよくないとといわれることが多いと思います。
本来的な差は小さいと思います。

(2012.11.24)

コーヒーメーカーで1杯分をおいしく入れる方法

コーヒーメーカーでもおいしいコーヒーは入れられます。

豆と水の量をきちんと計量するなら、味の再現性は高いと思います。
ただし、お湯の温度が低い機械の場合は、 十分に味が出せないことがあります。

高い温度のお湯で抽出できるという性能には、こだわりたいところです。
コーヒーメーカの弱点は、1杯分だけ抽出すること。
コーヒーメーカーでは、抽出時間が早く、 どうしても薄くなりがちです。

そのための対処法を書きます。

(1)豆の量を増やす コーヒー豆にお湯が触れて豆の成分が溶け出していきます。
お湯を注ぐスピードを変えられなくても、 豆の量を増やせば、落ちるまでにお湯が接触する豆が増えて、 濃くすることができます。

(2)しずくもれ防止機能を利用した裏技。
多くのコーヒーメーカーには、しずくもれ防止機能が付いています。
サーバーをはずすと、ストッパーが働いて、
しずくが落ちてこないというもの。 それを活用します。
豆をセットして、水を入れ、サーバーをセットせずにスイッチオン。
お湯が注がれ、たまっていきます。

(注意)お湯の量が多すぎると、あふれてしまいます!!あくまで1杯分。
時間を見計らって、サーバーをセットすると、その時点から落ち始めます。
時間をかけて抽出することができますね。
ハンドドリップの時に行う蒸らし。
経験的に、コーヒーメーカーでは必要ないのではないかと思っています。
点滴のようなお湯の注ぎ方になるので、 一気にペーパーまでお湯がいくことはないようです。

どうしても気になるなら、
一度スイッチを入れて、少しお湯が落ちてからスイッチを切り、
時間をおいてまたスイッチを入れると、蒸らしができます。
(1)の逆で、3杯以上のときには時間がかかるので、
抽出液が濃くなりがち。 2杯のときよりも、豆の量を少し減らしましょう。

(2012.11.24)

コーヒーの好みを表現するために | 味と香りとコクと

「おいしいコーヒー」とは、
新鮮な豆から入れたコーヒーだということを前提にした上で、
自分の好みに合ったコーヒーのことです。

お店で豆を選ぶとき、
または、人に好みを聞かれたとき、
自分の(飲む人の)好みを的確に表現したいものです。

味と香りについて、「好み」を表現するためのポイントを考えてみました。
業界には、それなりの言葉があるようですが、日常の言葉を使うことにします。

<味の表現> (弱い)→   →   →   →   →   → (強い)  
【酸味】 ・ない  ・少ない  ・少しある  ・強い(酸っぱい)
【苦味】 ・ない  ・少ない  ・少しある  ・強い(苦い)
【甘み】 ・弱い  ・強い

たとえば、私の場合なら  
「酸味は少なく、苦味は少しあり、甘みの強い」
コーヒーが好みだ と表現します。

<香りの表現>・・・「味」ほどコントロールできません。
購入のとき希望がかなうとは限りません。

【植物の香り】    ・花のような  ・果実のような  ・草のような
【カラメル系の香り】 ・ナッツのような ・キャラメルのような  ・チョコレートのような
【炭化した香り】   ・スパイシーな  ・煙のような
香りで豆を注文することは困難ですが、好みとしては言えたほうがいいと思います。

私の場合は、 「チョコレートのような香り」が好きですね。
「花のような香り」も好きです。
こちらは、焙煎が浅い場合が多いです。

<コクのこと>
さて、味と香り以外の要因として、「コク」というものもあります。
「ボディ」という言い方をする場合もあります。
口で感じる、コーヒー液の重量感。または粘り気。
さらさらと入っていくのは、「コクが少ない」。
舌にまとわりつくような感覚がある場合、「コクがある」。

<味><香り><コク>について書いてきましたが、
実は、これら焙煎された豆の特徴は、産地よりも、その豆の焙煎度合いによって 大きく変わります。

 極端な話し、どこで栽培されたコーヒーでも、
★深煎りにする(焙煎度合いを進ませる)と、酸味は少なくなり、苦味が強くなります。  
甘みも強くなります。(甘みは生豆の持っている力の差が大きいと思いますが。)
香りはカラメル系になります。  コクは増します。

★浅煎りにする(焙煎をあまり進ませない)と、酸味が多く、苦味は弱くなります。
香りはフレッシュで、果実や花の香りが強調されます。  
浅煎りのときにより生豆の個性が出ます。
豆の香りの個性を楽しむなら浅煎りがいいです。  
コクはあまりありません。

【まとめ】
コーヒーの「好み」を伝えるには、いろいろな表現が可能ですが、
好きな焙煎度合いをひとこと言うだけで、好みの傾向を知らせることができます。
自分は「深煎り」の豆が好きです。
自分は「浅煎り」の豆が好きです。
「中煎り」というのも、ありです。
その上で、味や香りやコクについて、補足説明をしていけば、
相手はよりよくわかってくれると思います。

焙煎しているメーカーや店は、 「この豆はこの焙煎度合いがいいだろう」と判断して、 その焙煎度合いを選択しているわけです。
焙煎業者によっては、同じ豆で「深煎」「中煎」「浅煎」と 焙煎度合いを分けている場合もあります。
それぞれ持ち味が違っていて、同じ生豆とは思えないこともよくあります。
私が自分で焙煎をする理由の一つに、 「焙煎度合いで好みの味」が作れるということがあります。(2012.11.19)

コーヒーを趣味にするために | まず最初にやること

コーヒーを趣味にしたいという相談を受けました。
職場の先輩、退職まであと数年です。

釣りやドライブ、テニスなど多趣味な方と思っていましたが、
「退職後に趣味がないと、困ってしまうから、、、」ということで相談をうけました。

若い頃にいためた腰が、最近調子よくないそうです。
なので、あまり体に負担をかけない趣味を持ちたいということでした。
コーヒーはいろいろなアプローチができていいと思います。

私は焙煎をしているので、「焙煎」をオススメしたいところですが、
いまのところ、そこまでは考えていないようでした。

<先輩のこれまでのコーヒーライフ>
・週末にコーヒーメーカーで入れたコーヒーを飲む程度
・豆は、スーパーで粉になったものを買ってきていた。(あまり量の多くないもの)

<まず最初にオススメしたこと>
・ミルを用意すること。
・豆は量り売りしてくれるところで、豆の状態で少量ずつ買うこと。
納得してもらうため、私が持っていたカリタの手ひきミルをお貸しすることにし、
私が焙煎した豆を少しプレゼントしました。
豆の量と水の量は一応目安をお話して、試してもらいました。
(豆16グラム=メリタ製のスプーン=横から見たら三角=で2杯
 水は280cc=出来上がり240cc程度)

先輩いわく
「挽いているときの香りがすばらしい。 コーヒーになってからよりもいいね。
これは一つの楽しみだ。 コーヒーメーカーでも十分おいしかった。」
と満足してくれました。
ということで、先輩はさっそく近くのお店で手ひきミルを購入しました。
「どうせならナイスカットミルなんかがいいですよ」とお話しましたが、
「いや手でひくやつでいい」ということでした。
コーヒーをどんどん消費するようになると、
きっと電動が欲しくなるだろうなと思いましたが、それはそのときでいいと思いました。
【まとめ】
なんと言っても、 自宅でコーヒーを楽しむためには、
まず最初にミルを用意すべきです。

ミルを手元に置くことで、コーヒーレベルは一気にステップアップします。
コーヒー豆は挽いて粉にした瞬間から猛烈に劣化していきます。
香り成分が空気中に飛び出して行き、

一方では油分が空気中の酸素と結びついて、酸化していきます。
豆を挽いてしまうと、表面積が一気に何100倍(もしかしたら何1000倍?)にもなってしまいます。
それだけ香りは出て行きやすいし、酸化しやすいといえると思います。
私が思うに、豆が新鮮であれば、 コーヒーメーカーとハンドドリップの差は小さいです。
ハンドドリップの真髄は、 新鮮でない豆の欠点をあまり出さないように抽出するということなのです。

入れ方よりも、 新鮮な豆で入れることがなによりも大事なのです。
そのために、
●ミルを用意し
●豆の状態で購入し
●飲む直前に挽く!
これがコーヒー通への第一歩です。 まずミルを用意しましょう。

(2012.11.19 )

おいしいコーヒー豆を選ぶために

万人に通用する 「おいしいコーヒー」はありません。
(ある程度の質がキープできていれば)あくまでも好みの問題なのです。

自分が、または、プレゼントした相手が、「おいしい」と感じるコーヒが「おいしいコーヒー」です。それを作ってくれるのが「おいしいコーヒー豆」です。

「おいしいコーヒー豆」を選ぶためには、「飲む人の好みをはっきりさせる」ことこそ最も大事なことです。

さて、コーヒーの味はさまざまな要因により決まります。
(1)焙煎の度合い

実は、豆の産地や入れ方よりも、その豆の焙煎度合いによって出来上がったコーヒーの持ち味が大きく変わってくるのです。

一般論で言うと
◆深煎の豆
  ・・・酸味が少なく、甘みと苦味が豊かなコーヒーになる

◆浅煎の豆
  ・・・酸味がありフレッシュな香り、透明感があるコーヒーになる
焙煎しているメーカーや店は、 「この豆はこの焙煎度合いがいいだろう」と判断して、 その焙煎度合いを選択しているわけです。
焙煎業者によっては、同じ豆で「深煎」「中煎」「浅煎」と 焙煎度合いを分けている場合もあります。
それぞれ持ち味が違っていて、同じ生豆とは思えないこともよくあります。
私が自分で焙煎をする理由の一つに、 「焙煎度合いで好みの味」が作れるということがあります。

(2) 珈琲豆は、生鮮食料品だと考えたらいいと思います。

珈琲の強いいい香り、強い香りは長持ちしません。
また、珈琲のうまみの元となっている脂分は酸化します。
これは日本茶などとは、違うところですね。
抽出直前にミルで挽くという習慣ができれば、
それだけで一気においしいコーヒーへ近づくことができます。

おいしいコーヒーを飲むために第1にすべきことは、ミルを手に入れることです。
ミルがあれば、コーヒーを豆の状態で購入することができます。
自分で焙煎する気にもなります。(2012.11.17)

コーヒーの質の問題 | おいしさの前に

おいしいコーヒーといえるかどうかは、飲む人の好みで決まります。
ただし、好みの話に進む前に、「コーヒーの質」に触れておかなければなりません。

昨年の秋だったと思います。
近くに自家焙煎の店が開店したと聞いたので、行って見ました。
小さな店でしたが、内装は雰囲気があってよかったです。
ただ、出てきたコーヒーは、ほとんど苦味しか感じません。
香りも、かなりスモーキーです。
最後まで飲みきれず、残してしまいました。

焙煎が進みすぎて豆の一部は炭になっていたのです。
すでに本来のコーヒー豆の味を失っています。

実は、焙煎を始めた頃、私もあんな焙煎をしていました。
だから、懐かしくはありました。

その味が好きだという人はいるかもしれませんが、 私はそれを今はコーヒーとは呼べません。
炭になった豆は、極端な話としても、 おいしいコーヒーを考えるときには、 「質の悪いコーヒー」は最初からのぞいておきたいと思います。

「質の悪いコーヒー」とは次のようなもの。
主に「豆」の問題です。

・へんな酸味がある。(古い焙煎豆で入れている。豆の持つ酸味ではなくて、豆の油が酸化してすっぱくなっている。)

・渋味がある。後味が悪い。焦げ味がする。(焙煎の技術が低い。)

・香りが弱い。ない。または、油くさい。(これも豆が古いせいです。)

「味が濃すぎる。薄すぎる。」のも問題ですが、 お湯の量やミルの調整を適切にすると、かなり解消できるので ここでは、「質の悪いコーヒー」に入れません。

豆の古さが「質の悪いコーヒー」の主な要因です。
私なりの「古すぎる豆」の基準は、
・豆の状態・・・焙煎後1ヶ月以上たったもの。
・粉になった豆・・・密閉されてたとして、開封後2日たったもの  
※この基準は厳しいかもしれませんが、、、、  

コーヒー豆は焙煎された瞬間から酸化が始まります。
さらに、粉にしたものは”殻を割った生卵”にたとえられるほど、豆に含まれる油(コーヒーオイル)がどんどん酸化していきます。
それがいやな酸っぱさにつながるのです。
この酸っぱさは、珈琲本来の酸味とは程遠いものです。

「酸味のある珈琲は苦手。」という人は多いですが、実は、この参加した味を指していることが多いのではないかと推測します。

「おいしいと思って買った豆なのに、家で入れたらおいしくない」ということがあったかもしれません。
それは、時間がたって変質してしまったからかもしれません。

質のいいコーヒー豆(焙煎技術が確かで、新鮮な豆)で「おいしいコーヒー」を楽しみましょう。
(2012.11.19)