おいしいコーヒーとは? | 最後は主観、でも基本を押さえよう

全ての人が「おいしい」と感じる、
ただ一つのコーヒーはあるのでしょうか?

答えは「いいえ」です。

これは、コーヒーに限らずどんな飲み物、食べ物でもいえることですね。
「ただ一つの幸せ」が無いのと同じです。

最終的には、自分がおいしいと思えばいいのです。

ただ、基本を押さえていなければ、
「独りよがりで小さな世界」に閉じこもってしまう可能性があります。

このサイト運営にあたっては
「基本をおさえつつ、自分の世界を」 ということを心がけています。

特に、次のカテゴリーには力を入れていきます。

「コーヒー豆」

「入れ方」

教科書のように、整理はされていませんが、実感はこもっています。

「おいしいコーヒー」を求めるあなたにじっくり読んで欲しいです。

■コーヒーの基本も変わっていきます

さて、 コーヒーの技術や薀蓄(うんちく)は、たくさん語られてきました。

何年たっても変わらないこともありますが、
時代に合わなくなっていることもたくさんあります。

たとえば コーヒーだって農産物ですから、
品種改良や栽培方法の改良が進められています。
(身近な例でいうと、北海道のお米もおいしくなりました。)

精製や流通の仕方も大きく変化しています。
スターバックスなどが進出して、コーヒー店のイメージも変わってきましたね。

20年前とは、「コーヒーの基本も変わってきている」のです。

このブログでは、
素人ならではの身軽さで、

新しい知識を取り入れながら、「おいしいコーヒー」のつくり方をまとめていきます。

■おいしいコーヒーについて補足

多くの人がおいしいというコーヒーはあります。

多くの人が集まる有名店はつまり、
多くの人の求めるおいしさに応えている店ということです。

けれども、 評判のいい店のコーヒーを自分がおいしいと
思うかどうかはまた、別の話です。

つきつめれば、おいしいというのは、主観的なものです。

他人がなんと言おうと、自分がおいしいと思うかどうかが問題です。

「おいしいコーヒー」とは? の答えを出すためには、
飲む人の好みをはっきりさせていくことが大事だということになります。

「苦すぎるのは、飲めない」という知人がいます。

そう言う人に、私が一番自信を持っているからと言って、
深煎りのコーヒーを出しても喜ばれません。

一方でその深煎りは 「酸味が苦手」という人には、
おいしいコーヒーとしてありがたがられます。

飲む人の好みに合ったコーヒーこそが、「おいしいコーヒー」です。

(2012.12.07)

インスタントはドリップコーヒーの代用になるか? | 両者の違いは?

私は、 インスタントコーヒーと、ドリップコーヒーは
別な飲み物と考えたほうがいいと思っています。
おいしいインスタントコーヒーはあると思いますが、
それは、ドリップコーヒーと同じようなおいしさだとは言えません。
製法が違うわけで、 番茶と煎茶くらいの違いがあると、私は思います。
インスタントコーヒーは、工場で次のような工程でつくられます。  
生豆 → 焙煎 → 粉砕
 → 圧力をかけて抽出(液体)  → 乾燥(粉末) → 包装

●このコーヒー抽出液は、
ドリップコーヒーとは違っているのではないか と想像されます。

●コーヒー抽出液を「乾燥」するとき、当然、香りが失われます。
この乾燥の仕方には、2種類あります。、

(1)スプレードライ法  高温の乾燥塔の中で、
濃縮されたコーヒー液を霧状にして噴き出す。  
瞬間的に水分が蒸発して、細かい粉末状のコーヒーができる。  
(代表例:ネスレ「ネスカフェ エクセラ」、AGF「ブレンディ」等)

(2)フリーズドライ法  
濃縮されたコーヒー液を零下40度前後の低温で凍結させ、真空状態で昇華させる。
 大粒のコーヒーができる。
 
この製法は低温処理のため、コーヒーのアロマがより良く保存される。  
(代表例:ネスレ「ネスカフェ ゴールドブレンド」、AGF「マキシム」等)

インスタントとドリップコーヒー
・インスタントコーヒーも原材料は100%コーヒー豆です。
・カフェインの量は、ドリップコーヒーのほうが多いようです。
(食品成分表を使って計算してみたところ、
カップ1杯でインスタント=0.016グラム、ドリップコーヒー=0.06グラムでした。)

もともとは同じコーヒー豆という植物からできた飲み物ですが、
香りや味わいはなかなか同じように話すことはできないと思います。
私の職場でも、ドリップコーヒーしか飲まない人と インスタントしか飲まない人、両方が存在します。

私はほとんどドリップコーヒーですが、 たまにインスタントの香味焙煎を飲みます。
ドリップコーヒーが正当で、 インスタントはどこまでそれに近づけるかということだと、 まだまだ、その隔たりは大きいといわざるを得ません。
別な種類だと考えると、 最終的には、それぞれの好みだと思います。

(2012.11.24)

コーヒーの好みを表現するために | 味と香りとコクと

「おいしいコーヒー」とは、
新鮮な豆から入れたコーヒーだということを前提にした上で、
自分の好みに合ったコーヒーのことです。

お店で豆を選ぶとき、
または、人に好みを聞かれたとき、
自分の(飲む人の)好みを的確に表現したいものです。

味と香りについて、「好み」を表現するためのポイントを考えてみました。
業界には、それなりの言葉があるようですが、日常の言葉を使うことにします。

<味の表現> (弱い)→   →   →   →   →   → (強い)  
【酸味】 ・ない  ・少ない  ・少しある  ・強い(酸っぱい)
【苦味】 ・ない  ・少ない  ・少しある  ・強い(苦い)
【甘み】 ・弱い  ・強い

たとえば、私の場合なら  
「酸味は少なく、苦味は少しあり、甘みの強い」
コーヒーが好みだ と表現します。

<香りの表現>・・・「味」ほどコントロールできません。
購入のとき希望がかなうとは限りません。

【植物の香り】    ・花のような  ・果実のような  ・草のような
【カラメル系の香り】 ・ナッツのような ・キャラメルのような  ・チョコレートのような
【炭化した香り】   ・スパイシーな  ・煙のような
香りで豆を注文することは困難ですが、好みとしては言えたほうがいいと思います。

私の場合は、 「チョコレートのような香り」が好きですね。
「花のような香り」も好きです。
こちらは、焙煎が浅い場合が多いです。

<コクのこと>
さて、味と香り以外の要因として、「コク」というものもあります。
「ボディ」という言い方をする場合もあります。
口で感じる、コーヒー液の重量感。または粘り気。
さらさらと入っていくのは、「コクが少ない」。
舌にまとわりつくような感覚がある場合、「コクがある」。

<味><香り><コク>について書いてきましたが、
実は、これら焙煎された豆の特徴は、産地よりも、その豆の焙煎度合いによって 大きく変わります。

 極端な話し、どこで栽培されたコーヒーでも、
★深煎りにする(焙煎度合いを進ませる)と、酸味は少なくなり、苦味が強くなります。  
甘みも強くなります。(甘みは生豆の持っている力の差が大きいと思いますが。)
香りはカラメル系になります。  コクは増します。

★浅煎りにする(焙煎をあまり進ませない)と、酸味が多く、苦味は弱くなります。
香りはフレッシュで、果実や花の香りが強調されます。  
浅煎りのときにより生豆の個性が出ます。
豆の香りの個性を楽しむなら浅煎りがいいです。  
コクはあまりありません。

【まとめ】
コーヒーの「好み」を伝えるには、いろいろな表現が可能ですが、
好きな焙煎度合いをひとこと言うだけで、好みの傾向を知らせることができます。
自分は「深煎り」の豆が好きです。
自分は「浅煎り」の豆が好きです。
「中煎り」というのも、ありです。
その上で、味や香りやコクについて、補足説明をしていけば、
相手はよりよくわかってくれると思います。

焙煎しているメーカーや店は、 「この豆はこの焙煎度合いがいいだろう」と判断して、 その焙煎度合いを選択しているわけです。
焙煎業者によっては、同じ豆で「深煎」「中煎」「浅煎」と 焙煎度合いを分けている場合もあります。
それぞれ持ち味が違っていて、同じ生豆とは思えないこともよくあります。
私が自分で焙煎をする理由の一つに、 「焙煎度合いで好みの味」が作れるということがあります。(2012.11.19)

コーヒーを趣味にするために | まず最初にやること

コーヒーを趣味にしたいという相談を受けました。
職場の先輩、退職まであと数年です。

釣りやドライブ、テニスなど多趣味な方と思っていましたが、
「退職後に趣味がないと、困ってしまうから、、、」ということで相談をうけました。

若い頃にいためた腰が、最近調子よくないそうです。
なので、あまり体に負担をかけない趣味を持ちたいということでした。
コーヒーはいろいろなアプローチができていいと思います。

私は焙煎をしているので、「焙煎」をオススメしたいところですが、
いまのところ、そこまでは考えていないようでした。

<先輩のこれまでのコーヒーライフ>
・週末にコーヒーメーカーで入れたコーヒーを飲む程度
・豆は、スーパーで粉になったものを買ってきていた。(あまり量の多くないもの)

<まず最初にオススメしたこと>
・ミルを用意すること。
・豆は量り売りしてくれるところで、豆の状態で少量ずつ買うこと。
納得してもらうため、私が持っていたカリタの手ひきミルをお貸しすることにし、
私が焙煎した豆を少しプレゼントしました。
豆の量と水の量は一応目安をお話して、試してもらいました。
(豆16グラム=メリタ製のスプーン=横から見たら三角=で2杯
 水は280cc=出来上がり240cc程度)

先輩いわく
「挽いているときの香りがすばらしい。 コーヒーになってからよりもいいね。
これは一つの楽しみだ。 コーヒーメーカーでも十分おいしかった。」
と満足してくれました。
ということで、先輩はさっそく近くのお店で手ひきミルを購入しました。
「どうせならナイスカットミルなんかがいいですよ」とお話しましたが、
「いや手でひくやつでいい」ということでした。
コーヒーをどんどん消費するようになると、
きっと電動が欲しくなるだろうなと思いましたが、それはそのときでいいと思いました。
【まとめ】
なんと言っても、 自宅でコーヒーを楽しむためには、
まず最初にミルを用意すべきです。

ミルを手元に置くことで、コーヒーレベルは一気にステップアップします。
コーヒー豆は挽いて粉にした瞬間から猛烈に劣化していきます。
香り成分が空気中に飛び出して行き、

一方では油分が空気中の酸素と結びついて、酸化していきます。
豆を挽いてしまうと、表面積が一気に何100倍(もしかしたら何1000倍?)にもなってしまいます。
それだけ香りは出て行きやすいし、酸化しやすいといえると思います。
私が思うに、豆が新鮮であれば、 コーヒーメーカーとハンドドリップの差は小さいです。
ハンドドリップの真髄は、 新鮮でない豆の欠点をあまり出さないように抽出するということなのです。

入れ方よりも、 新鮮な豆で入れることがなによりも大事なのです。
そのために、
●ミルを用意し
●豆の状態で購入し
●飲む直前に挽く!
これがコーヒー通への第一歩です。 まずミルを用意しましょう。

(2012.11.19 )

コーヒーの質の問題 | おいしさの前に

おいしいコーヒーといえるかどうかは、飲む人の好みで決まります。
ただし、好みの話に進む前に、「コーヒーの質」に触れておかなければなりません。

昨年の秋だったと思います。
近くに自家焙煎の店が開店したと聞いたので、行って見ました。
小さな店でしたが、内装は雰囲気があってよかったです。
ただ、出てきたコーヒーは、ほとんど苦味しか感じません。
香りも、かなりスモーキーです。
最後まで飲みきれず、残してしまいました。

焙煎が進みすぎて豆の一部は炭になっていたのです。
すでに本来のコーヒー豆の味を失っています。

実は、焙煎を始めた頃、私もあんな焙煎をしていました。
だから、懐かしくはありました。

その味が好きだという人はいるかもしれませんが、 私はそれを今はコーヒーとは呼べません。
炭になった豆は、極端な話としても、 おいしいコーヒーを考えるときには、 「質の悪いコーヒー」は最初からのぞいておきたいと思います。

「質の悪いコーヒー」とは次のようなもの。
主に「豆」の問題です。

・へんな酸味がある。(古い焙煎豆で入れている。豆の持つ酸味ではなくて、豆の油が酸化してすっぱくなっている。)

・渋味がある。後味が悪い。焦げ味がする。(焙煎の技術が低い。)

・香りが弱い。ない。または、油くさい。(これも豆が古いせいです。)

「味が濃すぎる。薄すぎる。」のも問題ですが、 お湯の量やミルの調整を適切にすると、かなり解消できるので ここでは、「質の悪いコーヒー」に入れません。

豆の古さが「質の悪いコーヒー」の主な要因です。
私なりの「古すぎる豆」の基準は、
・豆の状態・・・焙煎後1ヶ月以上たったもの。
・粉になった豆・・・密閉されてたとして、開封後2日たったもの  
※この基準は厳しいかもしれませんが、、、、  

コーヒー豆は焙煎された瞬間から酸化が始まります。
さらに、粉にしたものは”殻を割った生卵”にたとえられるほど、豆に含まれる油(コーヒーオイル)がどんどん酸化していきます。
それがいやな酸っぱさにつながるのです。
この酸っぱさは、珈琲本来の酸味とは程遠いものです。

「酸味のある珈琲は苦手。」という人は多いですが、実は、この参加した味を指していることが多いのではないかと推測します。

「おいしいと思って買った豆なのに、家で入れたらおいしくない」ということがあったかもしれません。
それは、時間がたって変質してしまったからかもしれません。

質のいいコーヒー豆(焙煎技術が確かで、新鮮な豆)で「おいしいコーヒー」を楽しみましょう。
(2012.11.19)