身近な道具で、最高においしい「飲み頃」を。コーヒーの楽しみを別次元へ進める、再現性のホームロースト。

ホームローストの必需品!吸い込むタイプの冷却器との出会い

ホームローストの必需品!吸い込むタイプの冷却器との出会い

珈琲豆の自宅焙煎(ホームロースト)において、実は絶対に欠かせないのが「冷却装置」です。

冷却せず自然冷却に任せておけば、どんどんと焙煎は進んでいき、コントロールできません。室温や容器の状態などによって、最終的な焙煎度合は行き当たりばったりになってしまいます。

私は手網での焙煎を20年以上続けてきましたが、これまでは「上に向けた小型ファンに土ふるいを載せ、焙煎が終わったら速やかにそこに豆をあけ、風を当てて冷やす」という自作のスタイルをとってきました。

この土ふるいを載せたファンは、実によく冷えます。豆を土ふるいに移した後、その土ふるいを持ってファンの上で回転させます。豆がよく動いて、一気に温度が下がりました。長いこと、よく働いてくれました。

2025年夏、市販の「吸い込む冷却器」との出会い

そんな私が、2025年の夏に市販の冷却器を買いました。それまでは、アマゾンで目にはしていたものの、土ふるい+小型ファンで十分と考えていたので、購入することを考えたことがなかったのです。

毎年数回、知人と焙煎を楽しむ会を行ってきました。人数も5〜10人と少なく、愛用の土ふるい+小型ファンをフル稼働させるほか、うちわで対応できました。

しかし、2025年秋に、少し規模の大きいホームロースト入門の集いをやることになって、同時進行で5テーブルで焙煎する計画を立てました。冷却装置もできれば5台必要です。うちわで冷やすのは、やっぱり骨が折れます。

この機会に市販の冷却器を試してみるかという気になって、アマゾンで、評価の高いものを購入しました。価格は10,000円を超えそれなりの出費でしたが満足感は高いです。

土ふるいの部分は今まで使っていた30センチの土ふるいよりも小さいので心配でしたが、1回250gの手網焙煎の冷却としては普通に使えました。まして、入門の焙煎では100〜150グラムで焙煎するので、余裕すらあります。

「吸い込むタイプ」がもたらした衝撃の事実

購入した冷却器を含め、市販されているものは、吸い込むタイプです。ふるい=メッシュ部分の下側についたファンは、上から下に風が動くように設置されています。

豆が触れる部分と、ファンの間にさらに細かいメッシュがあって、その部分にチャフが溜まるという仕組みです。

ここでいう「チャフ」とは、焙煎中に豆から剥がれ落ちる薄皮が焼けて細かくなったものです。お米でいうともみ殻、ピーナッツなら薄皮が焦げて細かくなったという状態です。軽くてよく舞い散ります。

吸い込むタイプは、冷却能力が低いと予想していたのですが、そんなことはありませんでした。ファンの力次第という事が分かりました。

そして、この吸い込むタイプの最大の長所は、「チャフが飛び散らない」という事です。

当然、吹き上げるタイプの冷却器では、チャフを舞い上げて飛散させてしまいます。これまでは、後で掃除機で吸い取ればいいやと、焙煎時の飛び散りをあまり深刻に考えずに、過ごしてきました。

そもそも、手網で焙煎するときには、網からチャフがコンロの上や周りに落ち続けます。これは防ぎようがありません。ですから冷却時の飛び散りだけを何とかしようという気にならなかったのです。

しかし、今回吸い込むタイプを使ってみて、衝撃を受けました。焙煎直後の、冷却時のチャフの飛び散りがほぼ0(ゼロ)になりました。

そして初めて、気づきました。コンロ周りのチャフは一定の範囲に収まっているので、掃除はとても楽だという事。今まで、掃除機で広い範囲をケアしなければなかったのは、冷却時の飛び散りのせいだったという事です。

これは、うちわを使ったときも同様です。うちわでむやみに風を送ることでいろいろな方向にチャフを飛散させていました。吸い込むタイプの冷却器を使えば、焙煎後の掃除は劇的に楽になるのです。強いインパクトを受け、思わずうなりました。

「これ(吸い込むタイプの冷却器)はホームローストの必需品だ」

ホームローストのハードルを一気に下げる大事なアイテムを見つけた、と直感しました。

自宅焙煎の「第一の壁」を打ち破る

自宅で焙煎するホームローストの障壁の第一位は、このチャフの飛び散りなのです。広い範囲に飛び散ったチャフをきちんと回収することは、骨が折れます。

その日はきちんと掃除したつもりでも、数日後、思ってもいないところに残っているチャフを家族に指摘されたときの切なさ。露骨にいやな顔をされたときには、「焙煎なんかやめよう」と思うこともあるかもしません。

吸い込むタイプの冷却器で冷却時の飛び散りを防ぐことで、しっかりとチャフの処理が完了します。吸い込むタイプの冷却器は、この第一障壁を解消させてくれるアイテムなのです。

(ちなみにその他の障壁は「煙」ですが、これに対する決定打はまだありません。また、「再現性」というのも大きな課題ですが、それについてはおいおい、提案していきます。)

毎週の焙煎ではこの「アマゾンで買った吸い込むタイプの冷却器」を使い続けるようになりました。センスはないですが、「アマゾン君」と呼ぶことにします。

その後、アマゾン君の構造を模倣して自作機を数台作成して、試用を重ね、今は自作5号機がエースとなりました。この、現在のエース、自作5号機が次回の記事の主役になります。

購入後、少人数で行った焙煎を楽しむ会で、アマゾン君を紹介したところ、予想通り絶賛されました。この会は、全くの初心者だけでなく、経験者も含まれていていました。経験者の一人は、「楽しむ会の時しか焙煎しないけど、この冷却器があれば自宅でやれるかも」と感想を述べていました。

その後、実際に(他の人に対してですが)AC電源タイプの自作3号機は貸し出しをして、そのままもらわれていきました。嫁ぎ先では、大事にされているようです。

初めて焙煎する人たちへ手ほどきする時も、チャフは手元だけで、それほど飛び散らずに終了するので、「まぁやってみてもいいかな」と言う気持ちになってもらえるようです。以前なら、初めて焙煎した人は「おもしろい」と思う反面、「後始末が大変。無理!」と思う人も一定数いました。吸い込むタイプの冷却器はホームローストへのチャレンジ、継続のハードルを下げてくれます。


実際に使って分かった「アマゾン君」のリアルな3つの特徴

ここで、私が購入した市販の吸い込むタイプ(アマゾン君)のメリット・デメリットを、これから購入を検討する方向けにまとめておきます。

1. 吸い込み能力について(大満足)

実際にスイッチを入れて焙煎豆を載せてみると、吸い込み能力は予想以上に強力!上から落ちる熱風と煙、そして例のチャフ(薄皮)を、グングン下に吸い込んでくれます。自作の吹き上げ式で悩まされていた「チャフの舞い散り」はこれで完全に解消しました。

2. 音の大きさについて(ここは注意!)

吸い込み能力が高いことのトレードオフとして音は予想以上にうるさいです。掃除機の『強』モードくらいのかなと思います。やや高い音です。「静かな夜のキッチンで静かに焙煎……」というのは難しいレベル。使う時間帯や場所は少し選ぶガジェットだと思います。

※音は強力なファンから出ます。DC12ボルトで2アンペア・・・24ワットの能力があると言うことになります。AmazonでACファンを探してみましたが、ACでこれに匹敵するワット数のものはありません。ACファンは静かですが、やはりパワー(吸引力)を取るならこのうるささは仕方のない部分かもしれません。

3. 起動時のタイムラグについて(少しコツがいります)

始動時にクセがあります。スイッチを入れてから、実際にファンが回り出すまでに、ほんの一瞬の「タイムラグ」があります。これはDCモーター特有の挙動(特徴)なのですが、最初に使ったときは「ん?動かない?」と一瞬焦るかもしれません。故障ではないので、慣れればなんてことはないのですが、知っておくと安心です。

私は、手の届きやすいところに、スイッチ付きテーブルタップを設置してそこにACアダプタのコンセントを差して、そのスイッチでアマゾン君のオン・オフができるようにしています。

焙煎が終わったら、まず、アマゾン君のスイッチを入れ、それから網の蓋を開けて、豆を投入します。ちょうど豆が収まるころにファンが回って、チャフと熱風を引っ張ってくれます。このルーティンを作ると、タイムラグも全く気にならなくなります。


前編のまとめ:片手鍋焙煎との相性も抜群!

この効果は、片手鍋焙煎(3年ほど前から入門用に取り入れている焙煎方法)では、特に強力です。

片手鍋の場合には焙煎中チャフは逃げず、鍋の中に溜まってきます。手網と違って焙煎中はチャフの飛び散りはありません。

冷却時に豆とチャフは同時にふるいの上に広げられるのですが、吹き上げるタイプだともろにチャフも吹き上げられてしまいます。これが、後始末を面倒にさせる元凶です。

ところが吸い込むタイプだと溜まったチャフもしっかりとフィルターで吸着することができます。感覚的(おおげさ)に言えば、ほぼ100%のチャフを捕捉してくれるのです。結果的に、片手鍋焙煎の時には、チャフの掃除は神経質にならなくてよいという事になりました。ホームローストへのお誘いが大変しやすくなりました。

  • 結論1: 吸い込むタイプの冷却器は、ホームローストの必需品です。
  • 結論2: 市販品はDCファンを使ったものが大半ですが、ワット数が多いほど吸引力があります。私はうるさくても、吸引力の高いものをお勧めします。
  • 結論3: 構造は単純なので、自作が出来そうです。

構造自体は非常にシンプルなので、この仕組みをヒントに試行錯誤して完成させた、現在の我が家のエース「自作冷却器5号機」の全貌を、次回の後編記事で詳しくご紹介します。お楽しみに!

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